あの頃 at that time


あの頃、私は多摩美に通うことになるなんて思っても見なかった。予備校に少し通ったけどまわりのちゃらちゃらさや、その反面みんなの絵がうますぎて、私は到底そんなとこまでいけないと思ってた頃。予備校を点々と変え、一番居心地がよかったのは河合塾の先端芸術のクラスだった。みんな自由で、ぴりぴり感もなく、批評会の時は受験ばりに緊張感ただよって、そのバランスが好きだった。でも予備校に行ったのはたった数日。下北沢に住んでいた。銭湯暮らしもした。とっても不安定な時が多くて。受験の1週間前からお母さんに私は今年は受けない!!と豪語していた、落ちるのがまざまざとわかっていたから。でもなぜか受かった。受験の日は風邪でふらふらしてゲロを吐きながらやった。でも今振り返ってみるとあの頃はたくさんの色に囲まれてたような気がする。今はまた違ってそうなんだけど。たくさんの色にもたくさんの人にも支えられてたな〜って。
 今週、多摩美の社会人入試がある。一年前の私と一年後の私、多摩美の教師、友達、出会った人みんなに支えられ、私の中に少しの変化を見いだせれたこの頃。毎日キャンパスに向かう私は大変な時もあるけど、とてもクリアな感覚で筆を握っているこの頃。
  
 
 
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